自動車やドローンの自動運転など、モデルベースの複雑な制御系が必要となっている現代、制御演算を担うCPUにはより高い処理能力が求められています。機能安全を実現するための自己診断機能も、メモリや通信帯域の増加に伴いより多くのCPUリソースを必要となる要因です。
その一方CPUのクロックは数GHzで頭打ちになり、マルチコアによる処理能力向上が主流になっています。このためCPUの仮想化やマルチコア対応のリアルタイムOSなど、制御演算のプラットフォームは複雑化・ブラックボックス化しつつあります。交通や社会インフラに用いる産業用制御装置としては望ましい傾向ではありません。複雑な構造は万一の障害発生時の解析が困難になるからです。
また世代により構造が変わるマルチコアCPUでは、産業用に求められるソフトウェアの長期継承性も懸案事項です。IoTおよびInustrie4.0と称され、様々な機械がネットワークに接続されてゆく現代、機械側・エッジ側の高い信頼性とスケーラビリティ、そして長期の製品継承性は喫緊の課題と考えています。
このような背景から当社は、長崎大学工学部、長崎総合科学大学と共同し、FPGAを基盤とした制御演算処理システムを研究しています。MATLABなどのモデル言語を使用しながらも、動的な修正や継承性に優れ、また大きな回路多様化を生み出す技術によって、より信頼性、安全完全性の高い冗長化制御システム(Safety Green Controller)の実現と普及を目指しています。
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